お客様事例電波伝搬シミュレーション

屋内・屋外の電波強度を「RapLab」で解析し、スマート家電などの無線環境の『見える化』を行い、安定した無線環境を設計する。

プロフィール
パナソニック株式会社 解析センター
森田 智彦氏、奥村 浩幸氏 (写真右から)
パナソニック株式会社 解析センターについて
創業: 2005年
代表者: 奥澤 将行 (所長)
所在地: 大阪府門真市大字門真1048番地
従業員: 約200人

ホームページ: https://www.panasonic.com/jp/corporate/pac.html

パナソニック株式会社 解析センターの取り組み

解析センターの業務について教えてください

 パナソニック株式会社 解析センターは「パナソニック」、「パナソニック電工」、「三洋電機」の解析・評価技術者がひとつにジョイントし、相乗効果を高めるために集ったプロフェッショナル集団です。これまで3社で培ってきた解析・評価技術が「One for All, All for One」 の精神で結合し、より高いレベル、より広い視点・分野※で商品開発に役立てるよう、次の9分野について成果を社内社外に展開しています。
  ※電気系,機械系,化学系,人間工学,ソフトウェアの9分野
    (1)EMC設計・評価
    (2)電気設計・解析
    (3)信頼性評価
    (4)材料分析
    (5)強度評価
    (6)安全性評価
    (7)計測器校正
    (8)ネットワークセキュリティ
    (9)ユーザビリティ

解析センターが目指すもの

 パナソニック株式会社 解析センターは次のスローガンを掲げています。

"Diverse Solutions for Your Success !! "

 このスローガンを掲げ、お客様との対話を大切にしながら「スピーディに」、「高品質に」、「リーズナブルな価格で」、サービスをご提供することをモットーにしています。お客様から頼って頂ける「困ったときは、パナソニック 解析センター」を是非一度ご利用ください。

RapLabをどのように使っているか

RapLabをどのようにお使いでしょうか

 主に、住宅、オフィスなどの屋内環境での無線機通信の伝搬性能評価に利用しています。もう少し詳しく言うと、周波数ごとにどれだけ電波が届くのか、また電波吸収体や反射物の有無による影響を評価しています。下図は、屋内環境での周波数の違いによる電波伝搬の解析結果例です。周波数の違いで、伝搬しやすさを視覚的に表現できるので、訴求効果が大きいですね。



RapLabを選んだ理由:宅内の電波伝搬解析に向けて、レイトレース法の解析を評価

RapLabをどのように知りましたか

 2009年4月にテクノフロンティアにて、構造計画研究所の名前と展示されていたRapLabを知りました。2011年3月に、宅内の電波環境解析のテーマを社内で起案し、比較的大規模が可能な電波解析ツールの選定を開始しました。その時は、モーメント法と電波伝搬(レイトレース法)の両方が候補でした。
 その後(2011年4月)、構造計画研究所に問い合わせたところ、すぐにRapLabの説明とデモにお越し頂きました。そして、社内で検討した結果、レイトレース法(RapLab)を第一候補に決めました。

 翌月(2011年5月)には、RapLabの無料トライアルで評価を開始し、さらに構造計画研究所で操作方法の個別レクチャーを受講し十分に操作を理解することができたため購入を決めました。翌月(2011年6月)に社内決裁が完了、発注し運用開始となりました。

RapLabを選んだ決め手を教えて下さい

 無線通信の設計ツールとして広範囲の電波の強度を解析する目的があったのですが、有限要素法では解析規模に限界があるため広範囲の解析ができるレイトレース法のツールを探していたところ、RapLabを知りました。また、アンテナ特性,材料特性(角度データ)など、オリジナルな実測値を反映させることができる点も魅力です。

 さらにRapLabは構造計画研究所の自社開発であるため、質問等に対するレスポンスが速く、サポート体制にも満足しています。価格がリーズナブルなことも、理由の一つと言えます。

RapLabの評価:実測のオリジナルデータを反映できること、サポートが早く丁寧なことが良いですね

2年間お使いになってみての評価はいかがでしょうか

 広範囲の電波の解析が、実用レベルで可能なことに満足しています。またRapLabを選んだ決め手でも申し上げましたが、アンテナ特性,材料特性(角度データ)など、オリジナルな実測値を反映させることができる点も解析に役立っています。操作面では、シンプルな分かりやすいユーザインタフェースと思います。
 また、これも先ほど触れましたが、RapLabが構造計画研究所の自社開発であり、バグ報告から解決まで速やかな対応を行っていただいています。とにかく、サポートが早く丁寧なことはとても満足しています。

 一方、これはRapLabの計算方法がイメージング法であるため、ある意味仕方ないかもしれないのですが、想定以上に計算に時間がかかることが少し不満です。ただし、バージョンアップで確実に高速化の改善がなされており、ストレスは減っています。

RapLabの新しい用途

今後どのような使い方を検討されていますか

 無線通信を行う機器が増え、省エネ対応で様々な種類の壁・床・窓が開発され、無線環境はさらに複雑になっています。われわれパナソニックは、無線機器から建材まで幅広く扱うメーカーですので、より厳密なシミュレーションを行うため、新素材を含めた詳細モデルを開発しています。
 また、電磁界解析ソフトも使用し、電磁界解析で得られたアンテナ情報を電波伝搬解析でそのまま使用する連成解析も検討しています。お客様の便利で豊かな暮らしの実現に向け、積極的に製品開発を支援していきます。

(取材日:2013年5月)

導入された製品
主に無線研究者の研究をサポートすることを目的とし、より正確な電波伝搬のシミュレーションを実現します。多数の実績でアンテナ・伝搬研究を強力にサポートします。

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