シミュレーションの実施
以下の図の諸元でシミュレーションをしてみたいと思います。
まず、半径10 mの完全導体球のモデルをWaveFarerで作成します。次に波源として、水平偏波の平面波を入射を設定します。
平面波の入射角はTheta = 90度で固定とし、Phiを0度から180度まで5度刻みで動かして、モノスタティックRCSを解析します。
WaveFarerによる計算においては、球体のような滑らかな面であっても、レイトレーシング法による計算の実施に当たり、球体は多面体として近似されます。
よって、物体の面をどの程度の細かさにするか、というのは非常に重要なパラメータになってきます。特に球体は、どのくらいの面の大きさで球を構成するかで球の形が大きく変わってきます。
また、WaveFarerでは物理光学近似という解析手法が用いられています。
物理光学近似では、面に入射する電界の入射角によって、面に誘起される電流値が決まり、その電流値から任意の方向へ放射する散乱界を計算します。
散乱界の計算に当たっては面積分が用いられますので、面をどの程度細かくするか、というのが非常に重要になります。
今回はWaveFarerのベンチマークテストということで、「面が粗い球」「面がやや細かい球」「面が細かい球」の3つを用意し、ベンチマークをテストしてみることにしました。
「粗い」球は、あまり滑らかなモデルではなく角が目立つ一方、「細かい」球は拡大しないと分からない程度に球の面が滑らかになっています。
(※「細かい」球や「粗い」球について、面の大きさや正球との公差など、モデルが実際にどのくらいの面の大きさにすれば良いか気になる方もいらっしゃるかと存じます。ユーザー様へは技術サポート等でご案内させていただいておりますが、WaveFarerにご興味のある方は、ぜひ体験版をご利用いただき、チェックしてみてください。