コラム技術コラム2023.11.09

PLATEAU 3D都市モデルを活用した電波伝搬シミュレーション

PLATEAU 3D都市モデルを活用した電波伝搬シミュレーション

〜PLATEAUとは?~

PLATEAUとは3D都市モデルのオープンデータ化を目的として国土交通省が推進する、Project PLATEAUの略称です。PLATEAU 3D都市モデル(以降、PLATEAUモデル)は無償で商用利用可能なオープンデータとなっており、様々な社会課題への利活用が期待されています。

今回はPLATEAUモデルと、弊社の電波伝搬解析ツールの1つであるWireless InSiteを活用した電波伝搬シミュレーションについてご紹介します。

 

〜3Dモデルと電波伝搬シミュレーション~

電波伝搬シミュレーションは、見えない電波の伝搬経路を可視化して、効率よく無線システムの検討を行う手法です。電波伝搬シミュレーションの1つであるレイトレース法では、送信点から受信点まで、電波伝搬の障害となる建物などを考慮して伝搬損失(受信電力)や電波の伝搬経路を算出します。

レイトレース法には、建物など周辺環境の3Dモデルが必要です。ここでは、PLATEAUモデルをWireless InSiteへ取り込み、電波伝搬シミュレーション、実測との比較検証を行った活用事例をご紹介します。

 

〜PLATEAUモデルのWireless InSiteへの取り込み~

PLATEAUモデルはCityGML形式というファイル形式で公開されています。ここでは、フリーソフトのQGISを用いてShape形式に変換し、Wireless InSiteへ取り込み可能に加工しました。

下図は、新中野周辺のPLATEAUモデルです。

Wireless InSiteにインポートしたPLATEAUモデル

 

~Wireless InSiteによる電波伝搬シミュレーション~

PLATEAUモデルを用いて、電波伝搬シミュレーションを行いました。計算諸元は下表の通りです。下図の通り、送信機は建物屋上、受信機は道沿いに設置しました。

約2,500点の受信点に対するレイトレース法の計算時間は18分で、再計算も手軽にできる計算時間でした。

計算諸元

諸元 数値
周波数 2.2 GHz

3Dモデル(材質設定)

建物:PLATEAU LOD1(コンクリート)
地形:平坦(アスファルト)
計算条件 最大反射回数:5
最大回折回数:2

送受信機の設定

 

〜実測との比較検証~

精度検証として、シミュレーション結果を同条件の実測データと比較しました。伝搬損失は二乗平均平方根誤差(Root Mean Squared Error、RMSE)で8.24 dBでした。下図の通り、傾向も良く一致しています。

実測比較の結果

 

本検証では、以下の文献の実測データを用いました。

  • Wataru Yamada, Motoharu Sasaki, Naoki Kita, “Extended Walfisch‐Bertoni Propagation Model to Cover Short Range and Millimeter‐Wave Bands”, AGU Radio Science, Vol 56, Issue 3, March 2021

また、以下の弊社先行研究を参考としています。

  • 多田靖弘,杉山健斗,岡村航,吉敷由起子,"PLATEAU3D都市モデルを活用した電波伝搬シミュレーションの実測との比較による検証,"2022 信学総大,B-1-7,March,2022.

 

以上、「PLATEAU 3D都市モデルを活用した電波伝搬シミュレーション」でした。

構造計画研究所では、目的に合わせた多種多様な電波伝搬解析ツールを取り扱っております。レイトレース法が利用できる電波伝搬解析ツールは、以下をご覧ください。

構造計画研究所の電波伝搬に関する解析事例は、こちらをご覧ください。

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