高層都市部における、電波伝搬環境、アンテナパターン等を考慮した総合的な衛星測位環境の評価

概要

  • 近年急速に普及したスマートフォンにより、多くの一般ユーザがマルチGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機や加速度センサー、無線通信を活用出来る環境が整っており、それらを活用した安全運転支援システムV2P(Vehicle to Pedestrian)も実現しつつある。 そして、V2Pにより注意喚起などを行う場合は、両者の位置情報の精度が重要となる。
  • GNSS衛星は上空にあるため、高仰角の衛星ほど誤差が少ない傾向にある。 また測位精度は可視衛星の配置にも依存するため、アンテナの指向性は地面に対して垂直方向に高く、上空の衛星の信号を幾何学的に均等に受信出来ることが望ましい。
  • しかし、歩行者や自転車の運転者がスマートフォンを携行する場合、GNSS用アンテナは理想的な方向・環境に配置されるとは限らないため、測位精度が悪化しやすい環境となるが、測位精度に対する影響の定量的な検証は困難である。
  • 構造計画研究所ではシミュレーションによる衛星測位精度の評価に取り組んでおり、本稿ではシミュレーションによりスマートフォン保持位置による自転車の運転者が置かれている衛星測位環境の定量評価を行った。
  • 今回実施したいシミュレーションでは、クロック誤差、電離層遅延、対流圏遅延、マルチパス、偏波の特性、受信機の信号処理、アンテナパターン、等の非常に多くのパラメータを考慮する必要がある。 そして、このように幅広い事象をシミュレーションするためには、それぞれの事象に適合する複数のシミュレーションを組み合わせることが必要である。 今回は、電磁界・電波伝搬・衛星測位という3つのシミュレータを組み合わせることで実現した。 シミュレーションソフトは、それぞれ、 XFdtdRapLabGPS-Studio を用いた。

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abstract
シミュレーション概要
ant_result
スマートフォン保持位置別の2次元放射パターン
prop_result
GPS-スマートフォン間のマルチパス状況
gnss_result
スマートフォン保持位置別の受信可能衛星数

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