コラム技術コラム2025.07.24

【新機能のご案内】Wireless InSite 移動体機能
動的な無線環境のシミュレーションへ

【新機能のご案内】Wireless InSite 移動体機能 <br> 動的な無線環境のシミュレーションへ

■新機能「移動体機能 (Mobility)」

これまで多くのエンジニアを支えてきたRemcom社の電波解析ソフトウェア「Wireless InSite」が、
この度、待望の新機能「移動体機能 (Mobility)」を搭載して、さらにパワーアップしました!
日本国内でもリリース間近の移動体機能をご紹介いたします。

人、自動車、航空機などが常に移動する現実世界において、その「動き」が無線通信に与える影響を正確に把握することは、
次世代通信技術を開発する上で極めて重要です。

ドローンの電波伝搬

ドローンの電波伝搬

これまでの静的な環境でのシミュレーションでは捉えきれなかった、時間とともに変化する複雑な電波伝搬の課題に対し、本機能が新たなソリューションを提供します。

屋内からワイヤレスキーで車のドアを解錠する電波伝搬

屋内からワイヤレスキーで車のドアを解錠する電波伝搬

主な特長

新機能「移動体機能 (Mobility)」によって、これまで以上にリアルな無線環境の再現が可能になります。
具体的な特長を以下に3つ、ご紹介します!

1. 人やクルマの「動き」をシナリオに

移動体機能を使えば、スマホを持って歩く人や、アンテナを載せた車、さらには空飛ぶ航空機まで、
あらゆる「動くモノ」をシミュレーションの主役にできます。 地図上のポイントを指定するだけで、
複雑な移動ルートや向きの変更も簡単に設定可能です。
これにより、複数の移動体が同時に動く、活気ある街中のようなシナリオも再現できます。

移動履歴(地図上のポイント)の設定イメージ

移動履歴(地図上のポイント)の設定イメージ

2. 「動く」からこそ見える、リアルな電波の通り道

人や車が動くことで、電波の通り道も刻一刻と変化します。
新機能では、移動体と建物や地形との間で、電波がどのように反射し、
遮られるのか、3Dマルチパスをアニメーションのように可視化できます。
通信に最も影響を与える伝搬パスが時間とともにどう変化するかを、直感的に把握いただけます。

交通状況の伝搬への影響のイメージ

交通状況の伝搬への影響のイメージ

3. 通信品質の「変化」をグラフで確認

見た目での確認だけでなく、もちろん詳細なデータ分析も可能です。
移動体が動いている間の受信電力や通信品質の変化を、時系列のグラフとしてプロットできます。
これにより、通信が最も不安定になるタイミングや場所を特定し、より効果的な対策を立てるための貴重なデータを得ることができます。

上空を飛び回るドローンの電波伝搬

上空を飛び回るドローンの電波伝搬

上空を飛び回るドローンのSNRの変化グラフ

上空を飛び回るドローンのSNRの変化グラフ

■未来のワイヤレス技術開発を、今すぐ加速させよう

「移動体機能」は、5G/6G、自動運転、ドローン通信、スマートシティなど、
まさに“動き”が鍵となる最先端技術の開発において、強力な武器となるはずです。
実際に試作品を作ってテストする前に、コンピューター上で何度もシミュレーションを繰り返すことで、
開発の時間とコストを大幅に削減することができます。
「この新機能、ぜひ試してみたい!」 「自分のプロジェクトでどう活用できるか、デモを見てみたい!」
そう感じた方は、ぜひお気軽に構造計画研究所までお問い合わせください。専門のエンジニアが新機能について詳しくご説明します。
さあ、静的なシミュレーションの世界から一歩踏み出し、“動き”のあるリアルな未来をその手で設計しましょう!

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