Home Column OAIBOX Open RANのご紹介 コラム技術コラム2024.07.19 OAIBOX Open RANのご紹介 次世代の5Gネットワーク環境を構築する際、最も注目される技術の一つがOpen RANです。Open RANは、異なるベンダー間での相互運用性と柔軟性を提供し、ネットワークの効率性と市場の競争力を大幅に向上させます。この記事では、Open RANの5G検証環境を簡単に構築できるソリューション「OAIBOX Open RAN」をご紹介します。OAIBOX Open RANを用いることで、相互運用性 (O-RU 3社対応)、RICによるスライシング制御、DU (F1) ハンドオーバーなどの様々なテストを実施でき、5Gネットワークの可能性を最大限に引き出します。 Open RANとは Open RAN(Open Radio Access Network)は、次世代の無線アクセスネットワークを構築するためのオープンなインターフェース仕様に基づくRAN (無線アクセスネットワーク) です。 Open RANの代表例として、O-RANアライアンスが推進するO-RANがあげられます。 O-RANの主な目的は以下の通りです。 オープンなインターフェース仕様により、異なるベンダー間での相互運用性を確保し、独占的なベンダーへの依存を減少させる AIや機械学習を活用してネットワークの効率性と性能を向上させる オープンなエコシステムを通じてネットワーク展開と運用コストを削減し、競争を促進する 図1 O-RANアライアンス ロゴ 出典: O-RANアライアンス OAIBOX Open RANの特徴 OAIBOX Open RANの主な特徴は以下の通りです。 OpenAirInterface(OAI)を基盤とし、5Gコアネットワーク(CN5G)、O-RAN準拠の集中ユニット(O-CU)、分散ユニット(O-DU)、アンテナユニット(O-RU)、準リアルタイムのRANインテリジェントコントローラー(near-RT RIC)を含む OAIによる5G通信時の各種通信性能指標(KPI)の監視とRANやRICの設定管理が可能 NI USRPを含む多くのRUと互換性があり、柔軟なテスト環境構築が可能 Split 8およびSplit 7.2aのO-RANフロントホールオプションのテストが可能 OAIBOX Open RANは、OAIコミュニティによって開発されたFlexible RAN Intelligent Controller(FlexRIC)を統合しています。FlexRICはサービス指向のRANコントローラーを構築するための柔軟で効率的なソフトウェア開発キット(SDK)であり、このSDKを使用して、ユーザーはRICのアプリケーションであるxAppの開発が可能です。 図2 OAIBOX Open RAN split7.2対応版 構成図 出典: OAIBOX Open RAN Specifications OAIBOX Open RANの2つのSplitオプション構成 OAIBOX Open RANは、フロントホールの機能分割オプションのSplit 8とSplit 7.2aのテストが可能です。以下は、OAIBOX Open RANのそれぞれの構成の特徴です。 Split 8 互換性のあるNI USRP(B200 / B205mini / B210 / N300 / N310 / N320 / X310(UBX160)/ X410)を使用可能 最大スループットはUSRPの帯域幅とMIMO構成によって異なる Split 7.2a 商用のO-RUが必要 Split 7.2aを実装し、DUでプリコーディングを実施する 図3 OAIBOX Open RANのsplit構成イメージ O-RUラインナップ OAIBOX Open RANは、以下のO-RUとの接続をサポートしています。 1. LITEON FlexFi O-RU 対応バンド:n78, n79 用途:インドア 図4 LITEON FlexFi O-RU 出典: 製品ページ 2. Benetel RAN650 対応バンド:n77, n78 用途:アウトドア 図5 Benetel RAN 650 出典: 製品ページ 3. VVDN LPRU 対応バンド:n77, n78 用途:インドアおよびアウトドア 図6 VVDN LPRU 出典: OAIBOX Open RAN Specifications まとめ OAIBOX Open RANは、次世代の無線アクセスネットワークを構築するための強力なオープンソースソリューションです。KKEではOAIBOX Open RANの高い互換性と柔軟性を活用し、研究や実験のための理想的なプラットフォームを提供いたします。 OAIBOX Open RANについてご相談がございましたら、弊社相談窓口にお気軽にお問い合わせください。 OAIBOXOpenAirInterfaceソフトウェア無線 一覧へ戻る 前の記事へ Wireless InSiteを用いたスループット推定のご紹介 次の記事へ 【LEO衛星シミュレーション】JC-SAT2023渡航記その2 ~楽しい衛星通信の実験をしよう~ 最新記事 2025.07.07 OAIBOX MAXを用いたチャネルエミュレータでMIMOを検証 2025.06.03 OAIBOX MAXを用いたMIMOの検証 2025.05.13 PLATEAU×電波伝搬ジオラマ作成 2025.05.07 電磁界解析による衛星アンテナの最適設計 2025.04.02 眺めて楽しむ電磁界~伝送線路とインピーダンス~ 関連記事 2025.07.07 OAIBOX MAXを用いたチャネルエミュレータでMIMOを検証 2023.05.18 EXataで多接続の端末通信を模擬 2022.12.19 任意地点、時刻のGNSS信号を自由に模擬GNSSジェネレータ -SDR-SATの開発現場より- 2020.06.25 Remcom社とのパートナーシップ 2023.06.07 DXのための無線通信システム検討法 1/2