反射位相制御したRIS反射板の設計と特性評価のための電磁界解析

概要

  • 反射位相を制御し、電気的な反射波面を傾斜させることで反射方向を変化させることが可能な反射板をRIS反射板(Reconfigurable Intelligent Surface)と呼ぶ。
  • 本事例ではRIS反射板の解析例を紹介する。
  • 電磁界解析はFDTD法の解析ソフトである XFdtd を使用する。
  • 【補足】RISは、IRS(Intelligent Reflecting Surface)、EES(Engineered Electromagnetic Surfaces)と呼ばれる事もある。

素子サイズごとの位相差を求める

  • 本稿の反射位相制御には、金属と誘電体の単位素子を並べたメタマテリアルを使用する。
  • このメタマテリアルでは、単位素子からの反射波の位相を素子サイズによって制御することができる。
  • 各素子サイズと反射波の位相の関係を求めるため、素子サイズを自動的に変化させるパラメトリック解析機能を使用する。
  • 今回の解析では、反射位相制御する周波数は10GHz、基板全体のサイズは150mm×150mmとしている。
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  • 上図のように素子サイズを自動的に変化させ、各サイズごとにFDTD解析を実行し、それぞれの垂直方向(入射波方向)の反射波の位相を求めグラフ化する。
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位相差ごとに素子を配置し、基板全体をデザイン

  • 求めた素子サイズと位相差の関係を用いて、基板上にサイズを少しずつ変化させた素子を配置する。
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  • この時、隣り合う素子サイズの違いによって位相差を段階的に変化させることで、反射波の方向を制御することが可能となる。
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  • デザインした基板全体のモデルに対して、再度FDTD法を使用してRCS解析を行い、入射面に対する反射方向の変化を確認する。
  • 下図のRCS結果から、反射方向を10度傾けられていることが確認できる。さらに、本来の反射方向である入射波方向に対してヌルを形成することができている。
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まとめ

  • 反射位相制御したRIS反射板の解析の流れを示した。
  • このシミュレーションにより、RIS反射板の設計や特性評価をより効率的に行うことができる。
  • 電磁界解析ツール XFdtd を用いた。

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