IoT製品を活用する無線通信環境の検討

背景

「IoT」とスマートロック
  • IoTとは「Internet of Things」の略称である。
  • 身の周りのあらゆるモノがインターネット経由で通信をすること。
  • スマートフォンで自宅の家電を操作したり、車と車が通信をするなど、IoTの活用範囲は広がっている。
  • 今回の解析では、IoTの一例としてスマートロックを用いた。
  • スマートロックは、インターネット経由で複数の鍵を一元管理できるWi-Fi接続型の電子錠である。
  • 複数の鍵や物件を現地対応する手間が省け、オフィスや宿泊施設で利用される。

目的

    スマートロックを活用するためには、鍵の管理元であるアクセスポイントから電波の届く範囲内にスマートロックを設置する必要がある。しかし、

  • スマートロックからどのように電波が出ているか分からない。
  • スマートロックを設置したドアからどの程度の距離まで通信可能か分からない。
  • これらの課題を解決するため、今回の解析ではスマートロックからどのように電波が出ているかを可視化し、通信可能なエリアの検証を行った。

使用する解析ソフト

  • スマートロックからどのように電波が出ているか、3次元電磁界シミュレータXFdtd を用いて解析する。

    • 狭い領域の解析には電磁界解析が有効である。
  • 屋内の通信可能なエリアを、3次元電波伝搬シミュレータWireless InSiteを用いて解析する。

    • 部屋のような広い領域の解析には電波伝搬解析が有効である。

解析の結果

電磁界解析

スマートロックに搭載されているWi-Fiアンテナをモデリングし、ドアに取り付けた状態の放射パターンを求めた。
アンテナ単体では、特定の方向に強く電波が放射されており、シンプルな放射パターンとなった。

アンテナ単体の放射パターン.jpg
アンテナ単体を、スマートロックの筐体に組み込み、ドアに取り付けたモデルを解析した結果、放射パターンは全く異なる特性となることがわかった。

複雑な放射パターン.jpg

電波伝搬解析

電磁界解析で求めた放射パターンを用い、スマートロックを玄関に取り付けた場合の受信電力マップを求めた。その結果、

  • スマートロックを設置している玄関付近では電波がよく届いていることが分かった。
  • しかし、玄関から離れた部屋では遮る壁も多く、電波が届きにくいエリアがあることが分かった。

部屋の受信電力マップ.jpg

まとめ

  • 電磁界解析と電波伝搬解析を用いて玄関に取り付けたスマートロックから出ている電波の受信電力マップを求めた。
  • その結果、スマートロックと通信を行う鍵の管理元の設置場所として適切な場所と不適切な場所を可視化した。
  • 電磁界解析によってアンテナ周りに部品が付属した場合のアンテナ特性の解析が可能である。
  • 電波伝搬解析では電磁界解析で求めた放射パターンを用いたシミュレーションを行うことで、より現実に近い通信環境の検証が可能となる。
  • スマートロックからどのように電波が出ているか、3次元電磁界シミュレータXFdtd を用いて解析した。
  • 屋内の通信可能なエリアを、3次元電波伝搬シミュレータWireless InSiteを用いて解析した。
xfdtd
wirelessinsite

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