コラム技術コラム2024.02.15

自動車用無線技術におけるシミュレーション技術とは?無線シミュレーション適用例を紹介

自動車用無線技術におけるシミュレーション技術とは?無線シミュレーション適用例を紹介

自動車用無線技術とシミュレーション技術

近年ADAS(先進運転支援システム)や自動運転を実現する為、様々な無線技術が自動車向けに活用されています。
自動車に搭載される無線技術は下図のように多種多様である一方、設計開発段階から自動車に適した高い品質・信頼性が要求されます。技術検証において実測による評価は必須ではあるものの、現象把握・拡張性・再現性・コスト等のメリットからシミュレーション技術の利活用も進んでいます。

自動車用無線技術における無線シミュレーション適用例

下図に自動車用無線技術における無線シミュレーション適用例を示します。
車内外の電磁波影響、車内置き去り検知、車載アンテナ設計、V2X通信、GNSS位置測位、キーレスエントリー、衝突検知レーダー、ETCなど多くの自動車用無線技術に無線シミュレーションを活用できます。

以下で①衝突検知レーダー、②V2X通信、③GNSS位置測位における無線シミュレーション適用例を紹介します。

①衝突検知レーダー

衝突防止・対象物判定などの安全運転支援のため、車載ミリ波レーダーの実用化が進展しています。
下図のように無線シミュレーションを活用することで、レーダー近傍から実運用環境規模までレーダー性能を事前に把握することができ設計開発を加速できます。

レーダー設計・配置

レーダー性能評価

②V2X通信

コネクテッドカー社会実現のため、車と車、車とインフラなど、車とさまざまなモノとの通信(V2X通信)の実利用に向けた検討が進展しています。
下図のように無線シミュレーションを活用することで、電波や無線ネットワークを見える化することができ開発段階の無線通信システムが実運用にて適用可能かを評価検証できます。

左図:アンテナ設計・配置、右図:電波環境評価

左図:無線ネットワーク評価、右図:実無線機評価

③GNSS位置測位

安全運転支援・自動走行システムにてGNSSによる高精度位置測位技術の利用が拡大しています。
下図のように無線シミュレーションを活用することで、机上にて国内外のあらゆる場所・時間のGPS/GNSS測位精度を予測分析し実機を評価検証することができ検証コストを削減できます。

実無線機評価

以上、「自動車用無線技術におけるシミュレーション技術とは?無線シミュレーション適用例を紹介」でした。

構造計画研究所では、自動車用無線技術の目的にあわせた無線シミュレータを複数取り扱っております。各無線シミュレータは、以下をご覧ください。
①衝突検知レーダーにはレーダー解析ツールWaveFarer、②V2X通信には電波伝搬解析ツールWireless InSite及びネットワークシミュレータQualNet/EXata、③GNSS位置測位には衛星測位分析ツール GPS-Studio、GNSS信号ジェネレータ SDR-SATが対応しており、無線機のアンテナ・回路設計には電磁界解析ツールXFdtdが対応しております。

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